副業は何から始める?スキルより先に「売れるもの」を設計する

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副業を「スキル学習」から始めると、たいてい止まる

副業を始めたい。でも何からやればいいのかわからない。そう相談してくる人の多くが、最初の一歩として「とりあえずスキルを学ぶ」を選びます。動画編集の講座を買う、Webデザインのスクールに申し込む、プログラミングの教材を開く。行動としては正しそうに見えます。でも、ここでつまずく人をたくさん見てきました。

理由はシンプルで、スキルは「手段」だからです。何を売るかが決まっていないのに手段だけ増やしても、使い道が見つからない。学んだけれど一円も生まれないまま、教材だけが積み上がっていく。これは本人のやる気の問題ではありません。順番の問題です。設計図のない状態で材料だけ買い込んでいるから、家が建たない。それだけのことです。

副業がうまくいかない人と、静かに月数万円を積み上げる人の差は、才能ではなく着手する順番にあります。学ぶ前に、決めることがあります。

先に要るのは「自分が何を売れるか」の設計図

スキルより先に手をつけるべきは、自分が何を売れるかの設計図です。売れるものとは、誰かのお金や時間や手間を肩代わりできるものを指します。つまり「あなたにとっては当たり前にできるけれど、ほかの誰かにとっては面倒・苦手・わからない」こと。ここに値段がつきます。

多くの人が見落とすのは、売れるものは新しく身につけるものではなく、すでに自分の中にある、という事実です。新しいスキルをゼロから習得して売り物にするのは、いちばん遠回りなルートです。なぜなら、習得には時間がかかり、その間あなたは初心者のままで、初心者の商品は売れにくいからです。

一方、これまでの仕事で積み上げてきたものは、すでに中級以上の蓄積があります。経理を5年やってきた人にとって帳簿づけは退屈な日常ですが、個人事業主にとっては払ってでも頼みたい作業です。設計図を先に描くというのは、この「自分の当たり前」を商品の候補として並べる作業のことです。

会社員の経験を棚卸しすると、売れるものが出てくる

では設計図はどこから引っ張ってくるか。答えは、これまでの会社員経験の棚卸しです。棚卸しと聞くと地味ですが、副業の元手はほぼここに眠っています。日々の業務、頼まれごと、後輩に教えたこと、評価された場面。そのひとつひとつが、誰かにとっての「お金を払ってでも解決したいこと」になり得ます。

たとえば、社内資料をいつも褒められていた人は、資料作成の代行やテンプレート販売ができます。新人教育を任されていた人は、オンボーディングの仕組みづくりを売れます。クレーム対応が得意だった人は、その対応文のひな型に需要があります。本人は「こんなの誰でもできる」と思っている。でも、できない人のほうが圧倒的に多いから値段がつくのです。

棚卸しの目的は、自分を客観的な在庫として見ることです。感情を抜いて、ただ「これまで何をしてきたか」を棚に並べる。すると、自分では価値を感じていなかったものほど、外から見ると売れる、という逆転がよく起きます。

棚卸しの進め方は、書き出して仕分けるだけ

やり方は難しくありません。まず、これまでの仕事でやってきたことを、思いつくまま全部書き出します。大きな成果だけでなく、毎日の細かい作業、頼まれて引き受けたこと、なぜか自分に回ってくる役割まで。質より量で、まずは50個を目標に並べてください。

次に、書き出したものを3つに仕分けます。ひとつめは「自分は苦じゃないのに、まわりは苦手そうなこと」。ふたつめは「お礼を言われた、感謝されたこと」。みっつめは「同じことを何度も頼まれたこと」。この3つに重なって入ってくるものが、あなたの売れる候補です。需要のサインがすでに出ているからです。

ここまでやって初めて、足りないスキルが具体的に見えてきます。設計図があるから、学ぶべきものが一点に絞れる。順番が逆だと永遠に学び続けることになりますが、先に売るものを決めておけば、学習は最短になります。副業は、根性ではなく構造で前に進みます。まず、紙とペンで自分の棚を開けるところからです。


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